graphline4128_128ビジネスローンと銀行融資には違うポイントがいくつもあります。「どのようなときにビジネスローンを利用すべきなのか?」を銀行融資との違いを元に解説します。

そもそも、ビジネスローンと銀行融資の定義の違いは?

ビジネスローンとは

無担保で事業資金に利用できるローンのこと。銀行も、消費者金融や信販会社も提供するケースがあります。

銀行融資とは

銀行融資の中でもプロパー融資と呼ばれるものが本来の意味での「銀行融資」を意味します。

簡単にいえば

個々の企業を個別に審査してオーダーメイド型で融資プランを組むのが「銀行プロパー融資」です。テレビで見るような銀行の審査担当者がいて行う銀行融資のイメージはこのプロパー融資になります。

一方、ビジネスローンというのはより中小企業にすそ野を広げて、金利が高い代わりに「無担保、即日融資、保証人なし」で利用できるパッケージ化された融資プランのことを言うのです。ファーストフードとレストランの違いに近いです。

ビジネスローンと銀行融資の違いを比較

その1.審査が違う

銀行プロパー融資の場合は、銀行の融資担当者が企業規模から、事業の将来性、財務諸表など細かく審査をします。とくに事業の将来性なども加味して審査をするので、審査には時間がかかります。融資担当者が審査結果を上司に稟議を挙げて、本部に承認され、融資に至るのです。

財務諸表が悪くても、将来性の高い企業であれば融資が通るケースもありますし、逆に財務諸表が多少良くても、将来性がない企業の場合は融資ができないケースもあるのです。

利用できるのはある程度の事業歴がある企業で、起業直後の場合は利用できないケースがほとんどです。また、企業規模も一定レベルを超えている必要があります。銀行によって基準は違います。

ビジネスローンの場合は、スコアリングシステムという自動的に財務諸表や信用情報、申込情報を入力すると自動的に審査結果が出てくるような仕組みで審査が簡易化されています。

スコアリングシステムでの結果がそのまま審査結果になるわけではなく、審査担当者のコメントなども含めて、最後は人力で審査がされるのですが、それでもほとんど自動化されていると考えて良いでしょう。財務諸表の数字がかなりの重要度を締めているのです。

その2.担保が違う

銀行プロパー融資の場合は、経営状況に応じて「不動産担保」「売掛債権担保」「在庫担保」・・・など担保を用意する代わりに低金利での融資をするケースもあります。また、無担保で融資するケースもあります。

ビジネスローンは無担保の事業ローンですので、担保は取りません。

その3.保証人が違う

銀行プロパー融資でも、ビジネスローンでも、法人経営者の場合には経営者本人の連帯保証が必要になります。これはほぼ必須と考えて良いでしょう。

ただし、銀行プロパー融資の場合は、第三者の保証人が必要になるケースもあります。第三者の保証人がいる代わりに融資を実行する、金利を下げる、ということが起こりうるのです。

ビジネスローンの場合は、第三者の保証人は必要ありません。

その4.金利が違う

第三者の保証人なし、無担保、自動審査、中小企業・零細企業向け、のビジネスローンは融資している銀行や金融機関にしてみるとリスクが高い融資先になります。

リスクが高い代わりに金利が高い特徴を持つのがビジネスローンです。

銀行プロパー融資の場合は、ケースバイケースですがビジネスローンよりは低金利になることが多いようです。

その5.融資までのスピードが違う

前述した通りで銀行融資の審査は、色々な経営状況を加味して、オーダーメイドで審査をするのです。

業界の状況、経営状況、担保や資産の状況などその中で最適解を探すので、どうしても時間がかかります。最短でも数週間、長ければ1ヶ月、2ヶ月審査にかかることも珍しくないのです。

一方、ほぼ自動的に審査ができて、担保などの調査も発生しないビジネスローンの場合は、最短即日融資が可能です。その日のうちに資金が手に入るので、資金繰りに苦慮している企業にはメリットが大きい資金調達方法になります。

ビジネスローンと銀行プロパー融資比較

項目ビジネスローン銀行プロパー融資
提供会社消費者金融
信販会社
銀行
銀行
限度額最大500万円~1000万円審査次第
数億円単位まで可能
審査期間最短即日1数ヶ月程度
審査の難易度銀行融資よりは甘い厳しい
金利高い10%~18%低い
※審査次第で適用金利は変わります。
事業歴開業資金も可能3期目までは厳しい
保証人なし必要な場合あり
※保証協会に保証料を支払う場合もあります。
担保なし必要な場合あり

ビジネスローンと銀行プロパーは利用すべき状況も違う

ビジネスローン

  • 短期融資
  • つなぎ融資
  • 中小零細企業
  • 個人事業主
  • すぐに資金が必要
  • 担保が用意できない
  • 第三者の保証人が用意できない

銀行プロパー融資

  • 長期融資
  • 中堅~大企業
  • ある程度の資金繰りの猶予がある
  • 将来性を加味してほしい
  • 銀行との付き合いが長い
  • 低金利での融資を希望する

まとめ

基本的には、ビジネスローンも、銀行プロパー融資も、どちらが良いというのではなく、メリットデメリットがあります。

状況に応じて使い分けることが有効な資金調達の活用方法と言えます。