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銀行プロパー融資とは
銀行が外部の保証会社(信用保証協会)を利用せずに、銀行のリスクを負って融資をする融資のことを言います。そのため、銀行は慎重に審査をし、企業ごとに融資枠を設定するのです。「半沢直樹」「花咲舞が黙ってない」などのテレビドラマで扱われる銀行融資のイメージは、このプロパー融資です。
銀行側がリスクを負うため、審査に時間がかかり、それなりの信用・実績がないと利用できないというデメリットがある反面、保証会社を利用しない分低金利での融資が可能になっているのです。
2年、3年以上の事業歴があり、継続的に十分な利益を出している企業などが利用する資金調達方法と言えます。
ビジネスローンとは
起業したばかりの起業、中小企業、零細企業向けに銀行やノンバンクが用意した無担保ローンのことです。「即日融資」「無担保」「第三者保証人なし」「審査が通りやすい」という特徴がある反面、金利を高く設定することで銀行やノンバンクは貸し倒れリスクをカバーしているのです。
ビジネスローンと銀行プロパー融資の違い
銀行プロパー融資は、信頼性のある企業に限定したオーダーメイドの商品であり、その会社の状況や規模、経営方針などを加味して、その会社用の条件(金利、融資額、返済方法)で融資をするものなのです。
一方、ビジネスローンはイメージで言えば、チェーン店です。ユニクロや無印良品のようにあらかじめ、審査条件や金利、限度額など画一的なものが用意されているのです。あらかじめ決まっているため、審査のスピードも早く、多くの方が利用できるようにしているのです。対象を制限しない分、金利は高いのです。
ビジネスローンと銀行プロパー融資の違いを比較
申込める対象者が違う
銀行プロパー融資の場合は、銀行が100%リスクを負うためにそれなりの実績が必要になります。融資における実績というのは事業歴が大きな比重を占めるため、創業間もない会社というのはプロパー融資は利用できないのです。
ビジネスローンの場合は、中小企業のために作られたローン商品なので、金融機関によって異なりますが、起業間もない会社でも、赤字企業でも利用できる可能性があるのです。
担保が違う
銀行のプロパー融資の場合は、経営状態や信用によって担保が必要なケースがあります。大手企業であっても業績が不安定であったり、融資額が大きい場合には担保を求められるケースが多いのです。担保は売掛債権や不動産などを利用します。担保が用意できない場合は経営者以外の保証人を求められることがあります。
ビジネスローンは、担保が不要なローンです。中小企業の場合は担保自体が用意できないことも多いのです。
金利が違う
銀行のプロパー融資の場合は、銀行の判断次第で色々なケースがあるのですが、総じて金利はビジネスローンよりも低く設定されます。ビジネスローンは無担保、審査が通りやすい、貸し倒れリスクが高い中小企業向けの商品ということもあって、金利は高く設定されているのです。
審査の通りやすさが違う
銀行プロパー融資は100%銀行のリスクで提供される融資です。貸し倒れしてしまえば、不良債権として銀行の損失になってしまうのです。また、金利も低いため、当然審査は厳しく、慎重にならざるを得ないのです。
ビジネスローンは逆に金利が高く設定されている中小企業向けのローン商品です。金利が高く設定されている分、銀行プロパー融資と比較すれば審査は甘く設定されているのです。
融資までのスピードが違う
前述した通りで、銀行プロパー融資は100%銀行のリスクで提供される融資です。審査が慎重になるということは融資までに銀行側が調べる情報や内容量も非常に多くなるということです。ましてやオーダーメイドなので、その会社の業界のことから、経営状態まで事細かに調べたうえで、銀行本社の審査部で厳正な審査をするため、早くても数週間、遅ければ1、2ヶ月融資まで時間がかかってしまうのが普通です。
まとめ
銀行プロパー融資が向いている方
- 長期の資金繰り目的
- 3年以上の事業歴がある
- 十分なフリーキャッシュフロー(利益)がある
- 融資までの期間にある程度の猶予がある
- 担保がある
- 金利を低くすることが第一優先
- 数千万単位の融資が必要
ビジネスローンが向いている方
- 中小企業
- 事業歴が3年未満
- 担保がない
- 融資までの時間がない
- 数百万単位の融資が必要
- 金利よりも借りることが優先