資金繰り方法の一つである「資金調達」には色々な方法があります。今回は資金調達方法の種類とメリットデメリットを比較してみました。
資金調達方法のメリットデメリット比較
資金調達には大きく分けて3つの種類があります。
1.負債を増やす=借入
負債を増やすということは、誰かからお金を借りるということを意味します。ビジネスローンもここにあたります。
メリット
- 素早くお金を用意することができる
- 無担保でもお金を用意することができる
デメリット
- 返済する必要がある
- 利息を支払う必要がある
- 担保や信用力によって適用される金利が異なる
- 担保や信用力によっては審査に通らずに利用できない可能性がある
A.身内から借りる
家族からお金を借ります。
メリット
- 経営権は比較的自由に持てる
- 自由な条件で借り入れが可能
デメリット
- 経営的なアドバイスなどのサポートは期待できない
- 身内に迷惑をかけるリスクがある
B.公的融資
政府系金融機関、信用保証協会を利用してお金を借ります。
メリット
- 金利が低い
- 無担保、第三者保証人不要で借りられる
- 利息や保証料の補助があるケースもある
デメリット
- 融資実行までかなりの時間がかかる
- 経営的なアドバイスなどのサポートは期待できない
C.銀行融資
銀行からお金を借ります。中長期の資金繰りに適しています。
メリット
- 金利がノンバンクよりは低い
- 柔軟に経営状況に応じて金利や担保の相談ができる
デメリット
- それなりの信用・実績が必要
- 融資までに時間がかかる
D.ノンバンク融資
ノンバンクからビジネスローンなどでお金を借ります。短期間の資金繰りに適しています。
メリット
- 無担保、第三者保証人不要で借りられる
- 最短即日融資が可能
- 審査も銀行よりは通りやすい
デメリット
- 金利が銀行融資よりも高い
E.補助金・助成金
補助金や助成金を利用して資金調達をします。
メリット
- 低金利
- 返済不要の補助金・助成金もある
デメリット
- 審査が通りにくい。申請を出しても採択率は3割以下
- 補助金・助成金に則した事業である必要がある
- 補助金・助成金は自治体や時期によって異なる
- 補助金は後払いなので、つなぎ融資が必要
- 計画通りに事業が推移した場合に返済額必要なものもある
2.資本を増やす
資本を増やすということは、株式の保有割合を減らして、他の人から出資をもらい事業資金に活用することを意味します。資本(エクイティ)は融資(デッド)とは違って、返済の義務がありませんが、出資割合に応じて経営権が出資者に移行してしまうデメリットがあります。
メリット
- 返済する義務がない
- 出資元の支援を受けられる可能性がある
デメリット
- 保有株比率が下がる = 経営権が維持できない可能性がある
- 魅力的な事業でなければ出資が集まらない
A.社員持株会
社員持株会は社員が出資者として株を持つことを意味します。
メリット
- 社員の資産が会社の業績と連動するためモチベーションが上がる
デメリット
- 株主が分散してしまう
- 持ち株会の運営自体に経営コストが発生する
- 社員の退職時に株を買い取る必要がある
B.他の会社からの出資
他の事業会社から出資を受けます。
メリット
- 事業会社から事業の支援を受けることができる
- ある程度高額な出資を引き出すことも可能
デメリット
- 創業者の持ち株割合が下がる
- 高額な出資を受ければ経営権が渡ってしまう可能性がある
- 魅力的な事業でなければ出資が集まらない
C.VC(ベンチャーキャピタル)からの出資
VC(ベンチャーキャピタル)=投資会社から出資を受けます。
メリット
- VC(ベンチャーキャピタル)の経営サポートが期待できる
デメリット
- VC(ベンチャーキャピタル)の社員が役員として入ってくる
- 上場を目指すために過度な投資を求められる
- 高額な出資を受ければ経営権が渡ってしまう可能性がある
D.個人投資家(エンジェル)から出資
資産家の個人投資家(エンジェル)から出資を受けます。
メリット
- 他の出資元よりも経営に対する口出しが少ない
デメリット
- 経営サポートなどは期待でいない
3.資産を現金化する
会社には、不動産や売掛債権、株式など色々な資産があります。資産を売却することで資金調達をする方法です。当然、資産がなければこの方法は取れません。
メリット
- すぐに現金化ができる
- 今ある資産なので、借金が増えない
デメリット
- 買い手がつかない場合、資産価値が減ってしまう可能性がある
A.ファクタリング
ファクタリングというのは売掛債権を現金化することです。
メリット
- すぐに現金化ができる
デメリット
- 売掛債権の買取額は債権額よりも少なくなる
B.不動産売却
保有している不動産を売却して現金化します。
メリット
- ある程度まとまったお金が手に入る
デメリット
- 不動産はなくなる
- 不動産によっては買い手がつくまで時間がかかる
- 市場価値通りに売却ができるとは限らない
まとめ
上記に挙げた資金繰り・資金調達も数ある資金調達方法の一部でしかありません。
自社の経営方針やPL・BSなどの経営状態を考えながら資金調達方法を比較検討し、最適な資金調達を実行する必要があります。